校長散歩

2020.02.20

  • #武蔵の風景

137 ポラリスを指し示す3つの『北極標』−武蔵の文化財その2−

北極標
濯川欅橋南側にある『北極標』
北極星(ポラリス)がどこにあるのか、その方向を指し示すものが『北極標』です。石に、十字とともに、当時測定された磁北偏角が刻まれています。
武蔵には、この『北極標』が三つあります。一つは、旧制高校時代の校舎であった大学3号館正面のアカマツの根元。もう一つは高中体育館剣道場の前方あたりの岩の付近。そしてもう一つは濯川欅橋の南側。校長散歩Vol.125で紹介した『不動明王石像』と川を挟んだ対角にあり、この石には「W5°5 1928」と刻まれています。いずれの『北極標』も、歩いているだけでは見過ごしてしまいます。
これらの『北極標』が設置されたのは1928年とのこと。この年の4月、大講堂の竣工に際し、開校後初めて七年制高等学校の全学年がそろったことにより『開校記念式』が挙行されました。その記念として同年11月に設置されたと記録にあります。
武蔵学園記念室の三澤正男研究員によると、これらの『北極標』は当時の武蔵生の集合場所の目印にもなったとのこと。「○○の北極標に集合!」ということだったのでしょうか。
ぜひ、武蔵の構内を散歩して、この三つの『北極標』を探し出してみてはいかがでしょうか。