校長散歩

2022.10.14

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460 高校生狂言教室

狂言教室で「泣き方」を実演している様子
10月6日、大講堂を会場に狂言教室が開催されました。
武蔵では狂言が演じられてきた長い歴史があります。毎年、年賀式では、三世山本東次郎氏(大藏流)や多々良外茂三氏(和泉流)など一流の狂言師による演目が披露されました。その後、年賀式での上演はなくなりましたが、平成4年からは、3年に一度、高校生を対象に「狂言教室」を実施することで復活。今日まで続いています。
ちょうど前回の上演はコロナ前でした。思えばこの3年はまさにコロナに翻弄された年月でした。今回も前回に引き続き、長年武蔵とご縁をいただいている五世茂山忠三郎(しげやまちゅうさぶろう)氏(大藏流)らに、「盆山(ぼんさん)」、「蚊相撲(かずもう)」の二曲を演じていただきました。
上演の前には、忠三郎さんによるワークショップ形式による狂言の解説も行われました。ワークショップでは、「現存する世界最古の演劇」である狂言の歴史や狂言の観方などについて、対話形式で教わるとともに、「狂言における笑い方や泣き方」なども体験的に学び、会場は拍手と笑いにつつまれました。
2作品の上演後、最後は再び忠三郎さんが登場。生徒との質疑応答の時間となりました。忠三郎さんは、今日の狂言教室を評して、「手にあるものは手に取る」ことの意義について語られました。学校が用意してくれた狂言教室を鑑賞したという「事実」を踏まえ、今度はいつか、自分でチケットを買って行ってみることにつなげてみるといいよということです。身近に転がっている様々なチャンスを貪欲につかみ、次はそれを自分の主体的な選択につなげてほしいという願いだと思います。私自身も「能楽堂」に行ってみたくなりました。
楽しい時間を創っていただいた忠三郎さんをはじめ、忠三郎狂言会の皆様方にこの場を借りて御礼申し上げます。
有難うございました!