校長散歩

2024.05.31

  • #行事

648 中1 山林遠足

学校山林での昼食の様子
5月11日、晴天のもと、中1の山林遠足が行われました。
これは、埼玉県毛呂山町にある武蔵の学校山林を訪問し、学校山林の意義についての理解を深めるとともに、夏に行う赤城での山上学校に向けた訓練として山登りや集団行動を経験するという意味合いもあります。
実施にあたっては、中1の4クラスを、高麗駅出発と東吾野駅出発の2グループに分けました。それぞれ日和田山や物見山への山道、あるいはユガテや北向地蔵を経由しながら上っていきます。ほぼ中間点に当たる学校山林で2グループが落ち合い、その後は、反対方向に下っていくという行程です。
学校山林は、武蔵学園HPにも紹介されているように、日本紀元2600年(1940年)の記念事業として当時の父兄会(現在の保護者会)からの寄付金により土地を購入し、植樹等を行ったことをはじめとしています。 当時は、太平洋戦争直前で、日本中が紀元2600年のお祭り騒ぎをしていた時代でしたが、時の校長山本良吉先生は、「目先のお祭り騒ぎよりも遠い将来に意義を求めること」を生徒たちに説き、国家の歩みへの批判も込めて国土緑化運動を果たしたのでした。
戦後1960年からは毎年春に入学したばかりの中学1年生がこの地を訪れるようになりました。友だちとの親睦を深めるとともに武蔵の長い歴史と精神を学んでいく伝統行事の1つとなっています。
ここ数年、コロナや天候の影響で実施できない年もありましたが、今年は久しぶりに5月に実施することができました。
古代中国の管子の言葉に、「十年樹木、百年樹人」(十年を思う者は木を育てよ、百年を思う者は人を育てよ)という言葉があります。先人の思いを胸に刻みつつ、武蔵生として次の関門である山上学校に向け、準備をしていってほしいと思います。