校長散歩

2021.05.28

  • #授業

288 武蔵の授業12 中2理科「標本庫の見学」

標本庫の画像
鳥のはく製を眺める生徒の様子
5月28日、中2の理科の授業で、生徒たちが標本庫を見学する様子を見てきました。
授業ではまず、「標本とは何か」という説明がありました。近代科学には、観察を旨とする「博物学」と実験・観測を旨とする「理化学」がある。「理化学」がデータを取って分析するのに対し、自然科学の基礎である「博物学」では①観察、②分類、③命名・記載を行う。標本はまさに、その「博物学」の発展に欠かせない、「繰り返し観察するためのもの」であるとのことでした。
さらに、繰り返し観察するためには、採取年月日や場所が記載された「ラベル」が欠かせないものであり、「ラベル」がない標本も時に残されているが、それも様々な文献資料などを通して解き明かすことができるとのことでした。
以上の説明のあと、旧制高校の時代から武蔵が所有・整理してきた第一標本庫、第二標本庫の見学が始まりました。
貴重なマレーバクをはじめとする哺乳類や鳥類、ワニ・カメなどのはく製、液浸標本や骨格標本など、様々なコレクションを、生徒たちは興味深く観察していました。
また、標本庫に入る際のマナーも学びました。標本の天敵であるカツオブシムシやタバコシバンムシなど目に見えない小さな昆虫を標本庫に入れないように、速やかに扉を閉めることや、手の脂がついてカビの原因とならないように、絶対に棚のガラスには触らないことなど、なるほどと思いました。
標本の作成や整理は、興味を持った生徒たちによって、総合講座などの中でも、脈々と受け継がれています。旧制高校以来の遺産を、日々の授業に生かし続けていることは素晴らしいと思いました。