校長散歩

2020.03.23

  • #その他

143 生徒諸君へ(その1) −学校をいつ再開すべきか?−

濯川と桜の画像
濯川沿いには桜が咲いています。
3月19日、このたび休校措置を延長しました。武蔵生はどのように過ごしているでしょうか。武蔵は卒業式も終わり、いよいよ春休みに入りました。ガランとした校舎やグランドはさみしいものです。
そういう状況なので、いくつかのメッセージを生徒諸君に発信することにしました。
第1回目として、「学校をいつ再開すべきか?」という問いかけです。全国の学校が頭を悩ませている問題です。現時点において武蔵は4月7日の再開を目指しています。様々な視点があります。まず何よりも感染拡大リスクを防げるのかという問題、新型コロナウィルスの病状をどうとらえるかという問題、一方で教育活動を止め続けてよいのかという問題、さらには保護者の皆さんの負担の問題、経済活動への影響をどう考えていくのかという問題…。
学校を再開するにしても、このまま閉鎖を続けるにしても、メリットもデメリットもあります。そうした中で、国の方針や地域の状況、さらには世界の情勢も踏まえながら、判断していく必要があります。また、再開するにしても条件が必要になるでしょう。
まさに「解のない問題」です。そうした課題にどう対応すべきなのか。武蔵生にはぜひそれぞれ自分の頭で考えてみて、良い知恵を出してほしいと思います。
最近、劇作家の平田オリザさんが、『22世紀を見る君たちへ-これからを生きるための「練習問題」-』(講談社現代新書)という本を著しました。平田さんにはこの3月の特別授業で武蔵に来て話をしてもらう予定でした。この本には、「先行き不透明な未来に向けて若者はどのような力を身に付けるべきか」ということが書かれています。さらに様々な利害対立の中で、判断に悩むようなジレンマを強いられるいくつもの「練習問題」が示されています。
正解のない問題に、どう答えを出すか。興味がある武蔵生は本書を手に取ってみるとよいでしょう。お薦めします。