校長散歩

2020.01.23

  • #生徒の活動

122 アスペン・ジュニア・セミナー

アスペンジュニアセミナー
古典を通して対話を行うアスペン・ジュニア・セミナー
1月19日、文京区の京北高校を会場に、高校2年生を対象とした『2019年度アスペン・ジュニア・セミナー』の三日目のプログラムが行われました。
『アスペン・セミナー』をご存知の方はいるでしょうか。アスペンというのはアメリカコロラド州にある避暑地の地名です。第二次世界大戦後の1950年ごろ、国際関係の緊張や文明の瑣末化といった時代状況を背景に、世界で活躍する学者、芸術家、実業家たちが、休暇を利用して集まり、古典的名著をテキストに、自由な対話を通して「現代をいかに生きるか」を思索することに端を発しました。その後、1998年、日本でも日本語によるアスペン・セミナーを開始。2008年からは高校生を対象としたジュニアセミナーも始まりました。武蔵生はこれまで参加していませんでしたが、今年度呼び掛けたところ2名が参加。そこで、11月から始まった3日間のセミナーの最終日に、その様子を見学に行きました。
この日のテキストは、スペインの社会学者オルテガの『大衆の反逆』と森鴎外の『かのように』。いずれも現代の社会状況につがながる名著です。公立私立を問わず集まった男女60名の生徒たちは、20人ずつ三つのチームに分かれて、この古典をもとに、自由な対話を行っていました。仲間との対話だけでなく、古典を書いたオルテガや鴎外とも、二人が提起した問題に、時空を超えた対話を楽しんでいるように見えました。
参加した生徒たちは、本当に深い思索体験をしたと思います。また、普段出会うことのない他校の生徒たちと深いところでつながりを得ていました。今年度武蔵生のチャレンジした様子を見て、来年度もぜひ後輩に続いていってほしいと思いました。
日本アスペン研究所とは